「憂かりける人を初瀬の山下ろし激しかれとは祈らんものを」。百人一首に詠まれる源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)の歌である。今朝、長谷寺に着いたのは、朝八時。受け付けのおばさんが「今朝はマイナス1度でした」といった。授業を終えて、下山するころ、まさしく、初瀬の山下ろし。「好きだったあの人をもう一度振り向かせようと長谷の観音様に祈ったのに、こんな身にしみる寒い風のようなつれないそぶりをされるなんて……」と詠った俊頼の息吹を感じた気がした。
」
和尚ブログ ほうげん日記
2016年02月25日