昔からの在家の仏教讃歌に「ご詠歌」がある。鈴と伏せ鉦を鳴らしながら唱える。これがけっこう難しい。写経や写仏のようにその日に来て、その日に一人でできるようになるといったシロモロではない。その歌詞や曲調は素晴らしいのだが、その難しさゆえか、最近ではなかなかご詠歌をやってみようという人がいない。どうすればご詠歌を唱える人の人数が増えるのか、一人で考えていても仕方がないので、30年ご詠歌をやっているおばあちゃんに聞いた。そうしたら面白い答えがかえってきた。「私がご詠歌をはじめた時に、先輩の人に言われたんですよ。『ご詠歌は難しいから、飽きないし、長く続けられるわよ』って。本当にその通りでした」----わははは。お見事である。難しいからやらないのではなく、難しいから飽きないし、長く続けられる。このような思考で物事にあたりたいと思った。
和尚ブログ ほうげん日記
2014年06月17日