ほとんど生物は棲めないとされる無数の星々の中で、生物が住める地球。その地球に住む生物の中で、動物の、それも人間に生れるのは大変なことだ、と仏教では考えます。その確立は・・・・。
ある所に四キロ四方ある大池がありました。そこに百年に一度だけ息を吸いに水面にヒョイと首をだす亀が住んでいました。さて、この池に板が浮かんでいます。この板にはちょうど亀の首の大きさの小さな穴が開いています。
風に流され、大池の中をあちこち流される板。この板の小さな穴に、百年に一度亀が首を出して、ちょうどその穴の中にすっぽり入ることがあります。すさまじい程の低い確立ですね。
仏教では、私たちが人間として生れる確立は、これと同じくらい大変なことなんだと考えます(「盲亀浮木(もうきふぼく)」のたとえといわれます)。人に生まれるのが当たり前と考えないのが仏教。だからこそ、他の生き物の命も大切にします。でも、数多くの生命の中で人に生まれたこの命、大切にしましょう。『もっといい冷蔵庫通信VOL.2』より転載。