「なぜ 花はいつも こたえの形をしているのだろう」---岸田衿子さんの詩の、この一節に出合ったのは先月のこと。大好きなヴィレッジ・ヴァン・ガードで買った『花の名前』(21頁)だった。とても共感したので思わずメモした一節だった。それからずっとあたためている言葉だ。で、今夜の犬の散歩をして、親水緑道にモミジの木があった。まだ若葉だが大人の葉と同じ形をしている。単に小さいだけだ。うはははは。「こたえの形」をしているのは花だけではない。草木など自然はすべてが、こたえの形をしている。岸田さんはそれを言いたくて、詩人らしく「花」だけに託したのだろう。昔から仙人や坊さんが自然の中に閑居したのは、そこにいつもこたえがあったからなのだ。人生の問題を解く方程式はいつだって自然の中の解(答え)に至るのだと思う。ところが、損得などの欲や、人らかどう思われるかなんて見栄が方程式の中に組み込まれると、ろくでもないこたえが導き出されることになる。あなたに悩みがあるなら、身近な自然をしっかり観察するといい。こたえはいつでも、そこにある。
和尚ブログ ほうげん日記
2014年05月13日