どうして「サザエさん」が時代を越えて人気があるのか、その秘密を長谷川町子さんの仲間の漫画家、清水崑さんから教えてもらった故村上正行アナのお話の収録の続きです。
---つまり、話というのは一から十まで相手のためになるんです。心のキャッチボールです。だから自分が時速一五〇キロのボールを投げるとか、カーブを投げるとかストレートなげるとか、そんなことに価値があるんじゃなくて、キャッチボールというのは、受け取る人がいい球を投げること。それだけがキャッチボールの方法です。――としたら、話し方というのも、一から十まで相手のためにあるんじゃないかと思うんです。
それから、崑さんの話からもう一つ。子供っていうのは何にでも関心を持ちます。子供は「赤ちゃんはどうして生まれたの」「どこから生まれたの」なんて、お母さんを困らせたりする。つまり、人間の持ってる探究本能っていうのが、そのまんま残っているんです。
ところが歳を取ると関心を持たなくなってきます。僕は、話し方の第一は、何にでも関心を持つことだと思うんです。不思議を感じることだと思うんです。
たとえば奥さま方がヘアースタイルをちょっと変える。ご主人が帰ってきて「あ~、何だ?チンケな頭にして」って言われたって、その方が正しいと思うんです。せっかくヘアースタイル変えて、ご主人が何も言わなくなっちまったら、面白くも何ともないと思う。何にでも関心を持ってください。そして、何にでも感動してください。(つづく) )
残すところあと2回! お楽しみに!