宗派が出している檀信徒向けの季刊誌の編集を終えて帰宅したのは19時3分前だった。すでにご詠歌のメンバーが集まっていた。密蔵院のご詠歌は毎週月曜日19時開始だからである。二時間のご詠歌を終えてから夕飯にありついた。私のような「寺の住職」が自宅での夕飯が21時を過ぎることはまずない。しかし、都会では、私があり得ない時間に夕飯を食べている時間でも、まだ夕飯も食べずに仕事をしている人がいるし、電車に乗っている人もいるのだと思う。比べて幸せをかみしめては申し訳ないが、こうした生活ができることの恩返しはしていきたいと思う。だから、せめて原稿の締め切りに遅れないように、夕飯を食べてから原稿を一本書いた。