思い起こせば一か月ほど前のバレンタインデー。義理であろうと友であろうといただいたチョコレートのお返しをせねば、坊主が、否、男が廃(すた)る。用意はしたが、あいにくの奈良出張と日が重なって、お送りするのがホワイトデー当日になってしまった。「こまったなー」と思いながら、朝の犬の散歩の途中、品物はともかく、なんと手紙を添えようかと考えた。全員に別々の手紙を書く時間はないから、粋な言葉を添えようと思いめぐらした。キーワードは「バレンタインデー」「ホワイトデー」「恩返し」である。
こういう時に、ご詠歌をやっていて良かったと思った。私は和歌はまったく詠んだことはないが、数多く唱えているご詠歌はどれも和歌形式だから、なんとかなるのではないかと思った。で、30分の散歩で、できた言葉がこれである。
セント(聖)バレンタインデーとホワイトデー(白日)とをまぜこぜにして、ご恩返しのまねごとを、あなたさまにさせていただきますという意味である。坊主らしくて、否、浪曲好きな私らしくて、なかなかよい出来ではなかろうか。ぐははは。