今日は布教研究所の会議。その席上、私は長男の不甲斐なさについて語った。「28歳になるのに、今の仏教、お寺、日本に危機感を持っていないから、自分から何か布教をはじめようとする気概がないんだ」
すると、高知から来ているKが言った。「28歳で、今の(55歳の)名取さんのような危機感を持てるはずがないじゃないですか」
私は、現在の仏教の、お寺の、日本の状況が危機的なのだから、老いも若きも、すべからく同じ危機感を持てるものだと思っていたようだ。なるほど、28歳の時の我が身をふり返れば、ほとんど何の危機感も持たずに生きていた。そうだ、そうだ、そういうことなのだ。Kの言ったことがドーンと腑に落ちた。
私は勘違いをしていた。今の自分と同じ目線で長男を見ていたのだ。見なければならなかったのは、今の長男ではなく、28歳の頃の自分の姿だったのだ。ぐははははは。