六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

たくさんの私

自分の心はたくさんのパーツでできあがっていることを再認識した。
もはや、統一された自我を保つことができずに、心のパーツが分裂してしまった女の子が会いに来てくれた。
外見は女の子でも、彼女の中に親がつけてくれた名前の女の子はもはや存在していないという。
人のいい、親孝行のAがいたり、冷静に自己分析するBがいたり、ちょっとすねているCがいたり、甘えん坊のDがいたりする。その別々のキャラクターが入れ代わって私と話をしてくれる。声も態度も異なる。全員が男の子である。
 それぞれに彼女の中で作られたキャラクターの名前を持つ。アニメファンな子だけに、アニメに登場しそうなキャラの名前が多い。
 話を聞きながら、元の彼女の冷静な部分だとか、人がいい部分だとか、甘えん坊の部分だとすぐにわかった。残念ながら、それらの性質を統括するナニモノかがいない。ナニモノかは、それまでの彼女の過酷な現実に耐えきれないで、消えてしまったのだそうだ。
 幸いだと思ったのは、残虐な部分はまったくないことだった。
 「そんな状態で、世間で演技しながら普通に生きていけそうかい」と人のいいAに聞いた。
「うん、大丈夫。Bが助けてくれるから。そのくらいの演技はできると思う」と答えた。
 奇しくも、私の中では、有機的にAやB、C、Dが結びついている。しかし、心の中で自問自答している時は、彼女の状態と大差はない。
「普通」という言葉はとてもやっかいな意味を持つが、いわゆる「普通」でない彼女は、私たちの心のあり方を開いてみせてくれた。
 彼女の状態は拝んでどうにかなるものでないことは明らかだった。かりに元の女の子の人格を再構成したとしても、今の彼女はまだバラバラのキャラクターを統合させる力はなく、過去の出来事を整理することはできないと思ったからである。
 彼女が帰ってから、私は、人の心はまさに曼荼羅なのだと思った。立体ジグソーパズルのようなものである。それを彼女は見事に私の前に展開してくれた。悪霊が入り込んでいるといった雰囲気は微塵も感じられない。私は精神科医ではないから、話を聞いて、拝んでどうにかなりそうになったら、お経の意味を説明しつつ、彼女に同席してもらって拝もうと思った。

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