東京はこの一週間寒くなったり暑くなったりで、健康な人でも体調をおかしくする。
病気を抱えている方はなおさらだろう。
昨日も今日も、檀家の方の訃報の連絡をいただいた。
お宅が近いので、すぐに枕教(まくらぎょう)をあげに伺った。

人は誰でも、死は初めてだから、きっと本人は混乱していることだろう。
そこで、「あなたはすでにこの世の役割分担を終えたのですから、この世へのこだわりを捨てていいのです」という意味で「般若心経」をあげる(もちろん、般若心経は亡くなった時だけのこだわりを説く教えではないけれど)。
次に「あとは仏さまに、しっかりくっついて行ってください。たよりになりますから」と観音経を読む。
そして、数多(あまた)の仏の加護を頼むために光明真言を唱える。
こうした意味で、お坊さんが枕辺に伺うのは、とりあえずのお別れやお礼を、故人に伝えるためではなく、故人の混乱を鎮めて、この先の方向性を示すためである。
簡単なお経を読むと読まないのとで、こちらの心の方向性が異なり、充実した気持ちで最期に立ち会える。
だから、お坊さんは「ゆっくりでもいいから般若心経くらい読めるようにしておいたほうがいいですよ」と申し上げるのである。ちなみにゆっくり唱えると、4分ほどかかる。
和尚ブログ ほうげん日記
2012年07月25日
