一件出版社との打ち合わせをした。監修という微妙な立場だ。
ライターの方が書いたものを「うん、それでいいですよ」と申し上げる役だと心得ている。
誠実な方が書けば、仏教の教えから、そう逸脱することはない。
ライターの方には、「畏(おそ)れずに、楽しんで書いてください」と申し上げた。
おりしも、明日の密蔵院の「写仏の庭」のお手本は「無畏」を施すという「施無畏菩薩(せむいぼさつ」である。

私はナウシカの冒頭で、ナウシカが狐リスをユパからもらって、指をかまれた時にじっと我慢して言うセリフ「こわがらなくていい」が大好きである。
最近の私は、怖がりの人にこの言葉を言いたいのではない。人を怖がらせるような人こそ「こわがらなくていいですよ」と言いたいと思う。怖がらなければ、人を怖がらせることをしないですむからである。
同時に宮沢賢治の「死にそうな人あれば、こわがらなくていいいと言ってやり」(アメニモマケズ)を思いだす。
和尚ブログ ほうげん日記
2012年06月12日
