
嗚呼、もうこんな時刻になってしまった。午後11時を過ぎているではないか。
夜のご詠歌が終わったのが9時半。ふたたびパソコンの前に座って、某出版社が夏に出したいらしい本を作るためのインタビューに備えるための資料を入力している(ややこしい話だ。わははは)
すでに、外はぐーんと冷えて、夕方からの雨は止む気配さえない。
孤独な作業と相まって、まるで晩秋の夜長のようだ。
古(いにしえ)の研学者たちは、股(もも)に錐を刺して睡魔を抑え、蛍の光や雪明かり、あるいはゆらめくロウソクの灯で、細かな文字を読んだという。
私はといえば、幸いにも手元を照らすライトと老眼鏡のおかげで、資料となる細かい文字も読むことができる。
少し離れた部屋からは、家内と娘がテレビ番組を見て笑っている声が聞こえる。
せっかく沸かした風呂の湯が「早くだれか入らぬか・・・」と水面を波うたせることもなく私を待っている。
