
今朝、家内が、玄関前の敷石をデッキブラシで掃除してよ、と言った。
そこで、高圧洗浄器を思い出した。きっと実家のお寺にあるに違いない。
しかして、そこにそれはちゃんとあった。まるで私の来るのを待っているかのようだった。
密蔵院へ持って帰って、ホースを接続して、試しに敷石めがけてスイッチとを入れた。
敷石の上に、細い白い線が浮かび上がった。
そしかて同時に思った。
「こりゃ、途中でやめられないぞ」
やめから、やったところとやらないところが一目瞭然だからである。
たぶん三時間くらいやっていた。
途中で大勢の檀家さんが年末のお参りにやって来て、私の作業を見て言った。
「単変そうですけど、綺麗になりますね」
「それがね、あんまり綺麗になるから、途中で放棄できなくなっちゃって」
檀家のお嫁さんが言った。
「いっそのこと、それで敷石に般若心経でも書いてみたらどうですか」
「そりゃ、ムズイわ。ぐははは」
そのあと家内が、現場監督がてら見に来て言った。
「それで敷石にお地蔵さま描ける?」
「できるわきゃ、ねぇじゃねぇか。わはははは」
みんな私の単調な作業を気にして、愉快にしてくれた。
いい年の瀬である。
