
今朝、背中の左肩甲骨の右下あたりにポツリとかゆいところがあった。私の背面である。
太っているし、手が短いし、体が固いので、どうしても手が届かない。だれもいなければ、柱の角にこすりつけて「かいーーの」と熊みたいにすれば済むのだが、みるとそばに家内がいた。
「わりーけど、掻いてくれないか」
掻いてくれたのだが、「もうちょと右」「ああ、少し上だ」「む?そこの左」「あれ?」
不思議なことにかゆいところが微妙に移動していく気がする。
結局全面ローラー作戦みたいなことになる。
もう夫婦を二十五年以上やっているので、背中から手を抜いたあと、家内は私の目の前で、自分の爪が汚れたのではないかと確認するような不作法はしない。
あはは。
背面の出来事は、移動するという話である。
