
さて、七週目の最後のお調べは、太山王(たいさんおう)王の担当です。
この王さまは亡者の「両舌(りょうぜつ)」の罪について吟味します。
両舌とは、文字通り“二枚舌”のこと。日本語では広い意味で「悪口」がこれにあたります。
あっちへ行ってはコッチの悪口を言い、こっちへ来てはアッチの悪口を言うということです。
そんなことをしていれば、いつか我が身が板挟みになるのが分かっているのにねぇ。バカだねぇ。
『十王経』では、
亡者は、やこの頃になると、 やけに自分の親のことが思い出されるようになる、
と書いてあります。とてもリアルです。
生んでもらったのに、こんな罪科のある生き方しかできなかったのか・・・と親への「ごめんない」の気持ちと、「あの温かい腕のなかでもう一度かくまってくれないだろうか……」そんな思いが沸き上がってくるのでしょう。
そんな情にかられた亡者は次のように嘆くと、お経に書いてあります。
四十九日を過ぎても、まだ何も食べる物さえなく、着る物とてなくこの地獄のような寒さの中に身を置かねばならぬとは……。
どうして、私に縁ある人たちは、私のために善や福の行を行って私を助けようとしてくれないのだ。
かりに親が監獄に閉じ込められていたとしたら、その子どもたちは自宅でじっとして、くつろいでいられるはずはない。
今私がおかれているこの冥途のお調べの道中の苦しみは、監獄にいるどころではない。頭髪に火がついて燃えるというたとえされ、たとえにならないくらいなのに。
---かなり心身ともに疲れ切っている様子の言葉ですね。
この四十九日に弁護をしてくれるのは、薬師如来。東のほうにある瑠璃光(るりこう)浄土からのお出ましでございます。ジャ、ジャーン!
◇ ◇ ◇ ◇
次男がアンサンブルとして出演している劇団「少年社中」の『ロミオとジュリェット』を観に行ったのは夕べのこと。
演出、脚本、音響、照明、演技など、すべてがアマチュアの域を超えていると思いました。なぜか、わが子の演技だけが、大袈裟に見えるのは、袈裟だけに坊主の見方なのか、親の目なのかは、不明です。
300人入る劇場での7回公演はすべてキャンセル待ちが出る状態。確かにそのレベルです。
