
さて、閻魔大王は亡者の「こんな目に合うと分かっていれば、生きている時悪いことなんかしなかったのに。どうして前もって言ってくれないのですか」との言葉を受けて、そレならばこうしよう、という二つ目の提案です。
この私(閻魔大王)や、魂を奪う奪魂鬼など、死に関わる鬼神たちに、正月と五月、九月の、月の前半七日間と後半七日間、真北に向かって、香、華、きれいなお米、金銀の紙でできたお金、石榴(ざくろ)とナツメ(共に仙人が食すという果)、お茶を供えて一心に礼拝し、真言を百八回唱えるがいい。
そうすれば、死ぬべき人の名簿に名前が載っていたら、生きる人の名簿に名前を付けなおす。非業の死を遂げることがなく天寿を全(まっと)うするだろう。
その真言は、
オン、エンマ、エイダツ、マラジャヤ、ソワカ
である。
閻魔は、ここまで説き終えて、監福使(人が生まれると肩にのって、当人がしたいいことを漏れなく記録するという神)に向かっていいました。
「よいか、良く聞け。もし、月の前半後半の七日間、合計十四日間に、一日百八回この真言を唱える者あれば、その者の望みをかなえてやれ。
苦痛があれば薬を与え、静かなところで静養したいと求めればその願いもかなえてやるのだ。いいか」
「かしこまりました」
「では、行け」
「はい」
そう言うと、監福使はその場から姿を消しました。
さて、閻魔の城内にある光明王院での場面はここで終わり。続いてもう一つの院である善名称院で起こっている出来事に話題が移ります。
いよいよ、お地蔵がどうしてお地蔵さまになったかという、因縁を解きほぐすクダリへとさしかかりました。
◇ ◇ ◇ ◇
今日の東京気温は30度を超えているものの、湿度がすごく低く、30パーセント以下で、とにかくすがすがしい。昔行ったハワイみたいです。
午前と午後の二回の法話を終了。走行距離は140キロでした。すいていたので助かりましてございます。
帰宅すると娘が映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観ていました。話題作だったにも関わらず映画館で見逃していたのでかっておいたDVDです。私は一回観て、あまりのヘビーさに、後味がすごく悪かった覚えがありましたが、音楽関係の仕事をしたいと言っている娘には「一回は観ておかないといけない映画だと思うよ」と伝えてありました。
結局後半を一緒に観てしまいましたが、はやり後味はよろしくない。純粋な人間の悲しいほどの思いを、隙間を埋めるようなドキュメンタリー調の映像と音楽にのせた、不思議な作品に変わりはありませんでした。
明日は「浪曲の広場」 13時~15時30分。 無料。
プロの浪曲師の卓越した話芸をどうぞご堪能ください。
