六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

十人の王の物語(その11)-宗帝王庁舎前庭-


冷たい三途の川を死にそうになりながら(もう死んでしまっているからこれ以上死なないのだけれど)、向こう側にたどり着いた亡者たち。“たち”と複数で書いたのには訳があります。それは、同じ日に亡くなった人たちは、全員が同じ行程をいかねばならないからです。

「十王経」には、(初七日を迎える人の)「数、塵のごとし」とか(三途の川を渡る人の数は)「千群、万隊」とあります。それはそうですね。この地球上で、一日に亡くなる人の数は、万単位でしょうから。

 さて、岸に上がってみると、広場を埋めつくしているものがあります。よく見ると、意地悪そうな猫たちと、大蛇の群れです(お経には「悪猫(あくびょう)とあります。悪い猫ってどんな猫だかわからないところがいいところです。私は勝手に「意地悪そうな」と訳しました)

 ここで猫と蛇が登場するには、理由があります。

 三七日(みなのか)の王さま、宗帝王(そうていおう)が裁くのは、邪淫の罪(つまり不倫)についてなのです。

 密かに行われる邪淫。誰も知らないだろうと思ったら大間違い。物陰から気配を消した猫が見ているのです。夜でも少ない光で見る个ができる猫。その猫がジーッと見ていたのです。そして、路地の狭い隙間から、空気のダクトから、小さな穴から蛇が瞬きもせずに見ていたのです。

 亡者が猫と蛇の中を、宗帝王の宮殿に向かうと、その中から猫が一匹、蛇が一匹、ニヤニヤしながら亡者のあとをついて行きます。証人ならぬ、証猫、証蛇であります。

 この先については、ストーリーがかなり隠微な方向になりますので、僧侶という立場ではとても書けません。

 ただ、宮殿内の内装が、キャバクラみたいで、ラブホテルみたいで、二台目の携帯電話とおぼしきものが壁一面に張り付けられていることだけは申し上げておきましょう。
また、邪淫の罪重き亡者は、連れ添っていた猫と蛇に、体のとある部分を喰いちぎられるとだけ申しておきましょう。

 ただ、ここにも救いがあります。
 二階へと続く大理石の幅広の湾曲した階段を降りてくる人がいます。

 それが誰かのお話は、次回へと引き継ぎましょう。

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