六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

十人の王の物語(その10)-カーテンの向こう側から-


 どうもすみません。亡者が初江王のところで審判を受けている時、何が起こるか、大事なことを書き忘れました。

 盗みについてあらかたの取り調べが終わるころ、部屋の奥のカーテンから、光り輝くオーラに包まれた人が静かに入ってきます。

「王さま、失礼しますよ」
「おお、これは、これは、釈迦如来さまでございますか」
その場にいた全員が合掌します。

ただ、罪深い亡者だけには、まぶしくてその人を見ることができません。

「王さま、この者はまことに盗みについて浅はかな価値しか持ち合わせていませんが、今、遺族や縁者が功徳を積み、この通り、それをこの亡者に回向しております」

釈迦如来が差し出したのは、スイカほどの大きさの宝珠(桃みたいな形、橋の欄干のてんぺんについているやつ、日本武道館の屋根についているあのタマネギ)でした。
見れば内部が、善根功徳の七色模様がしゃぼん玉の表面のように揺らめいています。

「ほう、これは、これは」
とその宝珠を受け取った初江王は、机の上にある計りに載せます。

「15万功徳」という表示が出ました。

「たいした功徳でございますな。それでは34万から15万を差し引きまして、こ奴の盗人数値は19万ということにいたしましょう」

「ありがとうございます」
釈迦如来はそう言うと、亡者に向かって静かに言いました。

「よくお聞きなさい。お前は生前、いつか自分が死ぬことも考えずに好き勝手なことをやってきた。諸行無常の大原則さえお前は自分には無縁のものと省みなかった。盗みを繰り返すことが、心の安定どころではなく、お前の心をコンペイトウのように、小さくトゲトゲのあるものにしていくことをお前は省みなかった。

 今からでも遅くはない。

 娑婆世界もあの世も、諸行は無常であることを見極めなさい。
 すべては、生滅するという大原則を骨の髄までたたき込みなさい。
 そして、生滅にこだわる心を開放させるのです。
 そうすれば、心は地獄にあっても、やすらかでいられるのです」

釈迦如来はそういうと、静かにカーテンの中へと戻って行きました。

カーテンの奥はどうなっているかって?

ではお教えしましょう。
カーテンがかけられているのはドアの手前なのです。
そのドアは一般的にこう呼ばれています。
「どこでもドア~~~」と。

さて、次回は話をもとに戻して、三途の川を渡ったところからスタートです。

◇ ◇ ◇ ◇
今日は今日とて、大渋滞の東名高速をちょっと走り、横浜市青葉区のお寺で法話の担当。もう20年も前にご詠歌に月一回うかがっていたお寺。そして、若住職にご詠歌を引き継いでから、10年以上お施餓鬼でお話をさせていただいているお寺でもあります。
近くに嫁いだ姉が住んでいるので、早くついたら寄ってみようかと・・・。

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