
人が亡くなって、茨の樹木の林や、そこに住むチリヌニ尾鳥やイキウマメ鳥に脳味噌を吸い取られそうになったり、目玉をくりぬかれそうになったりしながら、一週目に出合う秦広王(しんこうおう)。
かの王は立ち上がるとお釈迦さまにこういいました。
「はっ。左様でございます。私は亡者にこう言い渡します。
汝(なんじ)、(娑婆世界を)去りて死山(しざん)を過ぎて、
漸(ようや)く閻魔王に近づく。
山路(さんろ)に衣食(えじき)無く、
飢寒(きかん)の苦しみを何(いか)んが忍ばん」
秦広王の声は、大地も震えるばかりの大音声(だいおんじょう)でした。
お釈迦さまは、その声に応えるかのように、死天山の南門の情景を周囲に写しだしました。そこにいた数千の者たちが、まさに、あの世の門へ瞬間移動したかのような気になったのです。
すると、秦広王の先の偈に誘われるかのように、多くの鬼神たちが鉄棒を持して雲のように集まってきました。
鬼神たちは口々に言いました。
「なぜ殺した」
「なぜ助けなかった」
「殺してもなんともないと思ったのか」
「殺されるものの身になったことはあるのか」
こうした言葉が、亡者に対して次々に発せられます。
ここで無益な殺生をした者たちは、苦痛に身をよじるほど、鉄棒で打たれてしまいます。が……。
ここで、ズッシーン、ズッシーンと地響きを立てて現れるのが初七日の本尊さま。
火炎を背負って右手に剣を持ち、左手には縄をもっての登場でございます。
「鬼神たちよ、今しばらく、そこに控えよ」
威厳ある不動明王の出現に、亡者たちを断罪しようとしていた鬼神たちが、深々とそして、恭しく明王にお辞儀をします。
さて、この後どうなる……。
それはまた、次回のお楽しみ。
◇ ◇ ◇ ◇
テレビや新聞では報道されていませんけど、会社勤めの方々は、三々五々、夏休みを取りはじめているんですね。特に独身の方々は、混雑するお盆をさけていらっしゃるようです。
だからなんでしょう。世間はそこはかとなく、夏休みっぽいです。これもまた、麗しい日本の季節の流れですね。
