
「もう一匹はなんでしたっけね?アサハカァ~って鳴く、こちらではカラスだったやつ。何て言うんでしたっけ?そうそう、イキウマメ鳥」
二羽の名前を聞いて、聴衆の中で「あいつらは本当に嫌な奴らだ」とか「食べてもまずいんだよな」などという声が聞こえてきたのを、閻魔さまは咳払い一つで静かにさせてしまいました。
「ありがとうございます。閻魔さま。あの鳥たちは、トンネルの入り口で『お前はどうしてこんなところに来たか知っているか』と人語を操って質問するでしょ。
それで、『そんなことは知らない』と言うと、二羽ともまあ、目茶苦茶に怒り狂って、チリヌル尾鳥は、
『お前さんは、せっかく人間だったのに、散々悪いことをしやがって。お前の魂を食わぬ代わりに、お前の脳味噌をジュルジュル吸い取ってやるかな。色は匂えど散りぬるを』なんていいながら、長いくちばしを耳の穴の中につっこむでしょ。あれってシュール過ぎませんか。
亡者が脳味噌を吸いとられて目玉を白黒させていると、今度はイキウマメ鳥が、
「俺も句お前を食いはしないが、その目玉を引き抜いてやる。俺は生き馬の目を抜くのだって朝飯前なんだ。お前の心はアサハカァ~ナ」と目玉をつっつくじゃない。そんでその目がまずいと、ペッと吐き出して「うわっ、まずっ!これが本当の駄目ってやつだ」なんて、駄洒落なんて言うのは不謹慎だと思うんですよ。
閻魔さま、あの二羽のはしゃぎぶりは、アリスのティーパーティーのオジサンたちとすっごく似てると思うんですよ。ちょっと注意してやってくださいませんか?」
閻魔さまは、お釈迦さまにそう言われて言いずらそうに答えました。
「お言葉でございますが、お釈迦さま。あの鳥がいるトンネルは私の管轄する領域の外でございまして、私もどうすることもできません」
「そうですか。でも亡者たちの自業自得でもあるから仕方ありませんね」
お釈迦さまはそう言うと、先を続けました。
この続きは次回で。
