
さて、再びお送りする、連続もの。今回取り上げるのは『仏説地蔵菩薩発心因縁十王経』を元にした、ハチャハチャ芳彦流超訳。いかがあいなりますことやら。
第一回目の今日は、プロローグとして状況設定の場面なので、少々長いですが、ご勘弁ください。
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お釈迦さまが、80歳。体調が悪く沙羅の林でしばらく滞在していた時のことです(この後に具合が悪くなって、遺言を残すことになるのですが、これはまだ遺言を残す前の話)。
お釈迦さまがオーラを放って、閻魔さまが統率する冥土の世界を映し出しました。
すると、そこに、閻魔大王はじめ、あの世の王たち、牢番、記録係などのあの世の役人たち、その他、さまざまな役目をはたしている異類、鬼神やその部下たちが、お釈迦さまのオーラに気づいて、どこからともなく、次々に姿を現してきました。
彼らは、普段であれば、亡者たちを引き回したり、怒鳴ったり、冷やかな表情で生前の記録を読み上げるものたちですが、お釈迦さまには、尊敬を込めて丁寧にお辞儀をし、私語を交わす者は一人もいません。
彼らの間でも、お釈迦さまの人望はそれほど高かったのです。
お釈迦さまの放つオーラが彼らすべてを包むと、お釈迦さまは閻魔大王に言いました。
「やあ、閻魔さま、久しぶりですね。お元気そうで、何よりです。それにしても、閻魔さまのところは相変わらず、大勢の人たちが堕ちてしまって、すみません。私もなんとかしたいと思って、45年間も教えを説いているのですが、とても手がまわりません。
なかなか気づいてくれないのです。生んでもらったことにも感謝せず、親孝行もしない。自分の命という結果に父母という因があることにさえ気がつかないのですから、困ったものです。
自分のわがままな心を自分の師として、もうやりたい放題ですからね。閻魔さまのところへ堕ちざるをえません。あの世のことを知らないでそういうことをやっているのです。もし知っていたら、あんな人生の送り方なんかできるはずがありませんものね」
すると、そこにいたあの世の王の一人が、お釈迦さまに言いました。
「ああ、いいことをおっしゃってくださいました。ちょうどいい。お釈迦さま。
あの世でどんなことが待ち受けているかを、今一度説いてください。そうすれば、あの世でも懲りない奴らも少しは改心するかもしれません。またこれから死ぬ者たちも、恐れをないして、きっとまっとうな人生を歩むようになるでしょうから。ひとつお願いします」
その場にいた者たちの中で、閻魔大王をはじめとする10人の王たちは、互いに顔を見合わせて深くうなずきあいました。
さて、お釈迦さまが、口にした、驚愕のあの世とは・・・・
この続きはまた次回。
