六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

ハリティ縁起


 東京の夏の風物詩、入谷(いりや)のアサガオ市がはじまりました。
 この市は、入谷の鬼子母神(キシボジン)の縁日を合わせたもの。

 今回はこの鬼子母神のお話。はじまり、はじまりぃ……。

 昔インドにハリティという鬼女がいた。この鬼、人の子を食らって、千人いる我が子を育てるという生きる鬼女であった。
 かつて賑わっていた町も、子供が次々と食われ、子供の数が激減し、また残る子供を守ろうとして家々は門を閉ざし、さながらゴーストタウンの様相であった。

 この惨状を聞いたお釈迦さまは、ひそかにハリティの千人の子供のうち、ヒンカラという子をそっと隠してしまった。
 我が子が行方不明になったハリティは、鬼の形相すさまじく、半狂乱でヒンカラを探しまわる。ある街角に差しかかると、彼女の前に、お釈迦さまが立ちはだかる。
「どうしたのじゃ?」
「出家よ。私の子供が、子供がいなくなった。お前は何処にいるか知っているか!」
「さあ、知らぬがな。さてはどこぞの化け物に食われてしまったかもしれぬな」
「なにっ!嘘を言うな。私の子供が、ヒンカラが食べられたなどと、よくそんなむごいことを母親である私に言えるものだ。それでも出家か!」

「何をそんなに怒り狂っているのだ。聞けばお前は千人も子供がいるというではないか。そのうちの立った一人だ。どうということではないであろうに」
「何を、母親にとってはたとえ子供が千人、一万人あろうとも、それぞれがかけがえのない大切な子供なのだ。ああ、私のヒンカラよ。いったいどこへ行ってしまった……」
「ほう、そんなに悲しいのか、ハリティよ」
「当たり前ではないか」
「しかしよく考えてみよ。愚かなハリティよ。千人の内の一人が居なくなっただけで、気も狂わんばかりなのに、お前は、日々その悲しさ、苦しさを世の親たちにあじあわせているのだ」
「……」

「分かったか?」
「出家よ。お前のいうことはよく分かった。以後私は人の子を喰うのをやめる」
「そうか、それではお前にいいものを見せよう」

 そう言って、お釈迦さまが手招きをすると、一軒の家から、ヒンカラが出てきてお釈迦さまの横に立ちました。
「ああ、私のヒンカラ。愛しいヒンカラよ。さあおいで、母の元においで」

 しかし、ヒンカラはお釈迦さまのそばから動こうとしません。

 長くなったので、この続きはまた次回。

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