
アナンの命があと三日だと告げに来た餓鬼が、意気揚々と我が身に起こった奇怪な変化現象を語っていると、餓鬼は落ち着かない様子を示し、さらに時々、苦しそうな表情まで見せるようになりました。
訝(いぶか)しがるアナンに、苦々しそうな表情をして餓鬼はこう告げます。
「俺は、何も食べることができない。口の中は火で、食べ物は燃えてしまう。万が一燃え残った食べ物があっても、飲み込むための喉はすでに細すぎて、飲み込むこともできぬ。だから尚更腹が減るのだ。何でもかまわないから、食べ物を食べたい。
もとより堂々と食事をすることはもはや出来ない身の上。物陰に隠れ、薄暗い茂みの中をコソコソと移動して、食べ物を探すのが俺の一日でもある。おかげで、今では日の当たる場所に長時間いることができなくなってしまった」
餓鬼は、我が身の醜さと、心の卑屈さを、炎の口の奥から喘ぎながら言いました。
そして、再び道の横の茂みの中に、身をひるがえすように戻りながら、アナンに向かってニヤリと笑いながら言い残します。
「可哀相なアナンよ。お前ぇの命も、あと三日だぜ。うははは」
そこまで言うと餓鬼は茂みの中に消えましたが、余り日の当たる場所にいた為でしょう、ゲボゲホとむせる声が茂みの中を遠ざかっていきました。
余りの出来事に、アナンはしばし呆然とその場に立ち尽くしていました。今眼前で起こったことがまるで夢のように感じられました。
しかし、それがまごうことなき、現実に起こったことで、あのような異界に住(じゅう)する餓鬼が言うからには、本当に自分の命はこのままでは、三日に違いないと思いました。
アナンはすぐにお釈迦さまのもとへ向かいました。
この続きは、また次回……。
