次に悟浄が出会うのは、醜い姿の乞食…。
彼は悟浄のそばに寄ってきて言います。
――僣越(せんえつ)じゃな。わしを哀れみなさるとは。若い方よ。わしを可哀相なやつと思うのかな。どうやら、お前さんのほうがよほど可哀相に思えてならぬが。このような形にしたからとて、創造主をわしが怨んどるとでも思っていなさるのじゃろう。どうして、どうして。逆に創造主を讃(ほ)めとるくらいですわい。このような珍しい形にしてくれたと思うてな。これからも、どんなおもしろい格好になるやら、思えば楽しみのようでもある。――中略――わしは、無をもって首(かしら)とし、生をもって背とし、死をもって尻としとるわけじゃ。アハハハハ」
そ してまた、乞食は自らを、ものの形を越えて不生不死の境に入っているので水にも濡れず、火にも焼けず、寝て夢見ず、覚めて憂(うれ)いなき者と言います。そして、悟浄は……
気味の悪い笑い声にギョッとしながらも、この乞食こそあるいは真人というものかもしれないと思うた。この言葉が本物だとすればたいしたものだ。しかし、この男の言葉や態度の中にどこか誇示的なものが感じられ、それが苦痛を忍んでむりに壮語しているのではないかと疑わせたし、それに、この男の醜さと膿の臭さとが悟浄に生理的な反発を与えた。
が、悟浄は彼から、師匠のジヨウのことを聞きます。その師匠は、北の方2,800里。流紗河が赤水(せきすい)と墨水(ぼくすい)と落ち合うあたりに庵(いおり)を結んでいると……。
ここから北を目指す悟浄。その途中で出会ったのは鯰(なまず)の妖怪。名を蚯髯鮎子(きゅうぜんねんし)。この鯰、ただ者ではない……。どうなる!悟浄の運命は如何に。
深夜をまわって12日になったので、そそくさとアップ。今日は予定一杯の一日ゆえ。┏〇”┓。
