
何か非難めいたことを、対等もしくは自分より目下の人に言われた時、人はそのまま「ごめんなさい。これから気をつけます」とはなかなか言えない。せめて一矢(いっし)報わんと、言う台詞(せりふ)が
「お前だってそうじゃないか!人のこと言えた義理か!」
しかし、こうなると、悪の連鎖である。報復合戦である。貶(けな)し合いである。お互い針の筵(むしろ)である。
「お前だってそうじゃないか」--これは、本当は自分に言うとう絶大なご利益(ごりやく)があると思う。
誰かを非難したい時。なんだっていいのだ。
「少しは部屋の掃除くらいしろよ」
「ご飯は残さず食べなさい」
「早く寝なさい」
「だらしない格好しないで」
「愚痴なんか言うのやめろ」
……こうやって人のことを非難したくなったら、まず自分に言うのだ。
「自分だってそうじゃないか。とほほほほ」
これで人のことを非難しないで済む。悪の連鎖や、後味の悪い思いをしないで済む。
私は10のうち8は、こうして黙ることになる。だから口数が少ないといわれるのだ。ぐははは。
もちろん、本当に相手のためになのことなら、言ってあげるべき。ただし、優しくね、ユーモアで包んでね、後からじっくり効いてくるようにね!
