六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

「振り出し」に、戻るようで戻らない


 雨の日のお墓参りの方は言う。
「生憎(あいにく)の雨ですねぇ」
 アマノジャクと言うか、異なった見方が有るはずだと思う私は言う。
「でも、花粉症の方は楽でしょうね」

 今日は天気になった。今日お墓参りの方は言う。
「晴れて、気持ちよくなりましたねぇ」
 皮肉れている私は言う。
「でも、花粉症の人と傘屋さんは困りますでしょうねぇ」

 一つの事を違った角度から見てみることで、いくらか視野が広がるものだ。
 それを習慣付けたいと思う。
 自分が苦しい時にも別の見方ができるようになるからだ。
 自分が嬉しい時にも、人を傷つけなくてすむことがあるからだ。

 反対の角度から観ることは、時として、皮肉であり、せっかく人が喜んでいるのにガッカリさせたりすることになる。

 還暦くらいまでには(あと9年だが)、反対の見方を踏まえた上で、
「いい天気ですねぇ」には「本当にねぇ。知らず知らずに笑顔になりますねぇ」と答えたい。
「嫌な雨ですねぇ」には「そうですねぇ、空は何が悲しくてこんなに雨をふらせるんでしょう」とつなげたい。
 色々な考え方があることを自分の中に取り込んでから、相手の思いに共感したいと思う。
 「いい天気ですねぇ」に「そうですね」と答え、「嫌な雨ですね」には「まったくですね」と答えるのは、鼻から自分もそう思っているかのような(そう思わない人がいることを無視しているような)答えで、スゴロクで言えば「振り出し」に戻ったように見えるが、そうではないだろう。
 中身の入った紙袋と、膨らませた何も入っていない紙袋の違いである。

……もとより、これにしたって「コダワリ」である。「コダワリ」である以上、自分を苦しめることになる。最初からコダワリがないのと、コダワリをした上で抜け出てくるコダワリの無さは似て非なるものか…ああ、無限軌道だ。ぎゃははは。

 こんなことを今日午後の幕張のご詠歌でお話しした。今、明日の法事の準備をとりあえず終えたところ。

 写真は昨日に続き、『言いたい放題』縦版である。

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