この文章を書いているパソコンがある密蔵院の住職室のそばに木はありません。
ですから、あわて者のアブラゼミが外壁にとまって鳴かない限り、蝉の大音声を聞くことはありません。
ほどよく遠くから、絶え間なく聞こえてくる蝉時雨……。
不思議なことに、部屋から出て、車に乗ってでかけて何キロ、何十キロ走っても、外からはずーっと同じ音が聞こえてきます。
まるで、日本中を同じ蝉時雨が覆っているかのよう。
同じ音に包まれ続けるなんていうのは、一年のうちでも夏の間だけ。
ゆったりと楽しもうと思います。
