明日は実家の寺の大行事。ここ5年ほど前日にしか手伝いにいけなくなってしまった。布教の予定を入れてしまうからである。本家へのご恩に報いていないと反省する一方で、仏教的生き方を布教することも一つのご恩返しになるか、ならぬか……仏さまに任せることにしようと思う。
それでも、今日は兄の名代として他のお寺の行事に出仕。
帰宅して夕方、来客。
墓地の場所だけ確保してあった檀家さんである。
ご主人が3週間に亡くなり、既に他宗の友人葬を済ましたとのこと。つまり、檀家を辞めたいとのことである。ぎゃっ!
住職の布教がたりないために、知らない間に宗旨替えしてしまったのだ。反省することしきりである。密蔵院はいいお寺なのになあ……と思っているのは私だけか……。
一緒に来たお嬢さんが気まずそうに私に尋ねた。
「父が墓地を買っていたという話を聞いているのですが、それを売ったり、譲渡することはできないのでしょうか」
「村の共同墓地なら出来るという話を聞いたことがありますが、お寺の墓地は難しいでしょうね」と答えた。
理由はこうである。
寺の檀家になると言うことはいくつかの条件がある。
①仏教徒になるということ。
②そのお寺の本尊さまを信仰するということ。
③仏教をお寺の外からバックアップする。
④お寺の維持発展に貢献する。
こうした条件を了解した上で、本尊さまに燈明料、あるいは仏教徒になれた幸せを冥加料という形でお寺に納める。
これに対してお寺は、檀家になった方(家)に、一定の場所を墓地として使用する許可を出す。
つまり、檀家になる時に納めたお金は、檀家になるためのもので、墓地やその権利を買ったのではないわけです。
したがって、檀家を辞めるからといって、お墓の土地を売ったり、赤の他人に譲渡することはできないのです(仮に、赤の他人に知人や親戚になりすましてもらい、檀家の名義を変更することはできても、檀家であった人とその人の間で金銭を授受することは、仏教徒としての道義に反することになるでしょう)。
なかなか、こういう事はお伝えする場がないので、今日は良い機会を与えていただいたと思います。
「墓地使用の一風景」であります。
