
密蔵院のそばにはニワトリはいないので、白々と夜があける頃ころの定番は、カラスの鳴き声。
これを称して昔から、一晩経過したことを「で、からす、カアーで夜が明けて、今日になったら……」などと表現する。
10日ほどまえに20羽ほどが密蔵院上空の空域で、ニギヤカに追いかけっこしていたと思ったら、その恋の空騒ぎも終了。無事に伴侶が見つかった様子。
密蔵院の銀杏にも、例年の通りツガイのカラスが愛の巣を作ったようだ。そしてこの時期カラスは不思議な生態を見せる。
木の枝の先端を嘴(クチバシ)でひねって切り落とすのだ。(写真)
昨年子どものカラスが地面に落ちたので、ひろってそばの岩の上に載せてあげた時は、樹上で必死になって枝をちぎっては、私に落下させるという芸当を披露したカラス。どうも、ストレスを感じると、この行動をするらしい…というのがにわか生物学者の私の推論である。
かつて、時代はその閉塞感から「カラスの勝手でしょ」という言葉を流行させた。
そして、昨年から再び「そんなの関係ねぇ」を流行させた。「カラスの勝手でしょ」と似ているようだが、じつは今回のほうが、まだ救いがあると思っている。
自分の生き方を正しい方向に向かわせるためならば、社会の常識やら損得や物欲、金銭欲など「そんなの関係ねぇ」とニッコリ笑えるからである。
