お寺の隣のドラッグストアの駐車場前を通ると、若いお父さんが「ダメ」と言いながらショッピングカートを押して店から出てきた。後ろから５歳くらいの女の子が「買って～」と出てきた。お父さんは「ダメ」とくり返す。しかし、女の子は店内の品物に未練があるらしい。彼女は「一生のお願～い」と手を合わせた。久しぶりに聞く言葉だ。「ドラッグストアーで〝一生に一度しか使えないお願い〟を使っちゃダメだ」と諭（さと）してあげたかった。そういえば、子どもの頃、私は〝一生のお願い〟と大人に何か頼んだ記憶がないし、大人になってからも、だれかの〝一生のお願い〟を聞き届けたことがない気がする。わはは。
