六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

『ヒトはなぜペットを食べないか』。内容はむずかしいけど、文章表現が面白い

寝る前にだけ読んでいた『ヒトはなぜペットを食べないか』を、2週間かけて、やっと読み終えた。タブーとは何かを、神話や文献をもとに解明していく一冊。引用が多岐にわたるので途中で何度も挫折しそうになるが、時折出てくる筆者の山内先生のユニークな文章に会いたくて読み進んだ。
たとえば、猫食について、江戸時代の文献では、美味しいと書いてあるものと、たいしたことはない(益ナシ)の両方を紹介した後で「どちらが正しいのか、まだ味わっていない筆者には判断がつきかねるが、ともかく生類憐れみの令が何度も発布された元禄時代に、猫肉食がおこなわれていたのは確実だろう」と結ぶ。「まだ味わっていない筆者」は傑作だ。
ほかにも西洋の「申命記」からの引用で、蹄が分かれて反芻するものは食べていいが、蹄が分かれていないラクダや野うさぎは食べちゃダメ、豚は蹄が分かれているけど反芻しないからダメというルールを紹介した後に、「一体どんな基準に基づいてこの禁制が作られたのか、わけが判らないので、中世以降神学者たちのあなたを悩ませてきた」とつなげる。「わけが判らないので」が私が好きな表現である。年に何回がこういう本に出合うのも読書の愉しみである。うはは。

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