今日は実家のご詠歌。4週にわたって練習してきた「有難や 高野(たかの)の山の 岩陰に 大師はいまだ おわしますなる」も今日で仕上げ。今では直接会えない人を思う心情から、『瞼(まぶた)の母』(長谷川伸作)の名場面が浮かんだので、そのセリフを披露した。
「ところは江州(ごうしゅう)阪田(さかた)の郡(こおり)、醒が井から南へ一里、磨針峠(すりはりとうげ)の番場(ばんば)の宿場、六代つづいたおきなが屋忠兵衛という旅籠(はたご)屋を、おかみさん、ご存じありませんか」。そして「俺あ、こう上下(うえした)の瞼を合せ、じいッと考えてりゃあ、逢わねえ昔のおッかさんのおもかげが出てくるんだ――それでいいんだ。逢いたくなったら俺あ、眼をつぶろうよ」。あはは。ご詠歌をやっているのか、浪曲をやっているんだか、わからない2時間だった。※本文と写真は関係ありません。
和尚ブログ ほうげん日記
2020年10月15日