昭和33年生れの私が、はじめて食べた美味しいお料理は、いつもソースが使われていた。海老マカロニグラタンのベシャメルソース(ホワイトソース)、ハンバーグのデミグラスソースが双璧だ。ベシャメルソースは自分で作れるようになったし、まだ作れないデミグラスソースがお皿に少しでも残っていれば、パンでこすり取って食べるという具合である。私が外国のパニック映画でその意味を知る前に、すでに聞いたことがあった「パンデミック」という言葉は、私にとってまだ食べたことがない、絶品のソースの名前だった。デミグラスソースとパンの組み合わせの妙がそう勘違いさせたのだと思う。調べると、ギリシャ語のパン(すべて)+デミア(人びと)からできたそうだ(マイペディア百科事典)。病気の世界的大流行(パンデミック)を料理のソースの名前だと思っていたのだから、呑気な時代に育ったものだと思う。そして今、感染拡大防止しかできない我が身は、前代未聞のこの時期をまめに手洗いしながら、呑気に過ごしたいと願っている。
和尚ブログ ほうげん日記
2020年03月14日