大晦日になって、住職室の外の廊下を片づけていた家内が、住職室の中の私に「このみかん、あなたのでしょ?」と奇妙なことを言う。食べかけのみかんを廊下に置いたおぼえはない。「俺のみかん?」と確認しようとすると、部屋に入ってきて「これ、あなたのでしょ」とチンケなプラスティックのみかんを私の前に置いた。なるほど“私のみかん”である。講演会の冒頭で、アルミ缶の上にこれを置いて「これ、“アルミ缶の上にあるみかん”って言うんです」と聴衆の心をゆるめるのに使う小道具の一つである。昨日、スーパーで買ったお供えセットに入っていた新品のニセモノだが、本物の小粒みかんがあってそれを使ったので放置していたのだ。今年一年、拙い話題におつきあいいだきありがとうございました。来年も、毎日起きているちょっとしたことが、どんなに私たちの暮らしを豊かにするかをお伝えしてまいります。良い年をお迎えください。合掌
和尚ブログ ほうげん日記
2019年12月31日