六地蔵
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和尚ブログ ほうげん日記

信玄、山鳩を射る

武田信玄がある合戦に出陣しようとすると、一羽の山鳩がやってきて上空を二、三回廻ると庭の松の木にとまった。これを見た一同は「これこそ必勝の吉祥なり」と喜んだ。すると、もう一羽やって来て、同じ松の梢にとまった。一同は「一羽でも吉祥だと言うのに、二羽が揃ったのだから、この戦いは大勝利じゃ」と勇み立った。
この様子を見た信玄は、かたわらにあった弓を取ると、一矢(いっし)にその山鳩を射落とした。喜んでいた一同はざわめきたち、「殿はなにゆえにめでたい山鳩をお射(う)ちなさりますか」と問うた。
信玄は静かにうなずいて言った。
「されば、仮に鳩を吉祥とするなら、今後戦(いくさ)の際に、再び鳩が飛び来たらぬとすれば汝らは何といたす。来たるが吉祥ならば、来たらずは不祥とせねばならぬ。それがため、一同の士気にもかかわることなろう。心に迷いあって戦いに望むのはもっとも禁物じゃ」(講談社『古今逸話特選集』~信玄山鳩を射る~より要約)。
良くできた面白い話だと思います。何事につけてたまたま出現した自然現象に勝手な解釈をつけて、「これが出たら運気アップ、いいことがある」と心ウキウキしたくなる人は、ご用心くだされ。人生という戦い(?)にそのような信心は禁物でございます。秋空に現れた龍の形の雲だって、数キロ離れただけで違って見えるし、その形もわずか数分のことでございます(写真はネットからいただきました)。

 

 

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