豪雨の被害に合われた方々には言葉もなくただ手を合わせて祈るばかり。そんな中でも、「誰のせいでもない」や「今、やることをやるしかない」や「日常が戻るまでは我慢だ」など、多くの覚悟が必要だろうと思います。その覚悟がないと、とても乗りこえられないでしょう。そんな覚悟の話を、癇癪持ちや短気な人に関連づけた面白い話があるので、ご紹介します。
ある短気者が先生に相談しました。
「私は生まれつきの短気者で、自分でも困り果て、どうにかしてこの短気を直そうと忍耐に関する本などを取り寄せて読みましたが、生まれつきの性分は是非もなく、ことにふれては腹が立ち、癇癪が怒る時は、後も先も考えず、自分を見失ってしまいます。このような癇癪持ちでも、心が広く、気が長くなって安楽になる教えがあったらご伝授いただきたいのです」
すると伝授先生が言った。
「飛んで火に入る夏の虫という諺は、愚かなたとえを言ったものだが、かわいそうに、夏の虫は火を火と知らずに、ただ明るい所だ、赤い所だと思うから飛びこんで焼け死んでしまう。しかし、お前はその夏の虫よりもよほど値打ちがない。なんとなれば、短気を短気、癇癪を癇癪と知りながら改めないのは、火を火と知りながら火の中に飛んで入るのと同じではないか。まったく愚かさもここに極まれりというものだ。
以前知り合いの番頭で万兵衛という者がいた。お前よりずっと癇癪持ちだったが、最近すっかり怒らなくなったから、どうやって癇癪を治したのだと聞くと、万兵衛は答えた。--さて、万兵衛に一体、何があったか・・・長くなるので、今回はここまで、続きは次回のお楽しみ。
和尚ブログ ほうげん日記
2018年07月09日
