今日も今日とて、天保時代の講演録の中から、愉快なお話を現代語訳でご紹介します。
ある大先生の所へ悩み相談に来た身勝手者。相談の内容は次の通り。
「どうにも最近は悪い世の中になりました。私が望む世界は、働かずに食うに困らない程度のお金が手に入り、鬼神のような親父でも酒をすすめ、ご飯をご馳走してくれ、性欲も満たされ、上司や親は私の思い通りになり、気に入らない面倒な奴は殺してもお咎(とが)めがないような世界。そんな世の中になれば、これに過ぎたるはございませぬ。どうすればそんな世界になりましょうか」
すると大先生、ニヤリと笑って言うには「そうか。では近くへ来なさい。あなたが望む世界を差し上げましょう」。
身勝手者、大いに喜び、先生の前に進み寄ると、先生は素早く身勝手者の襟首を取って締め上げ息の根を止めようとすると、身勝手者はあわてて「先生、苦しい。どうしてそんなことをするのです。どうぞ、命ばかりはお助けください」
さて、大先生の言うには……この続きはまた次回。
和尚ブログ ほうげん日記
2018年06月29日