--前回の続きです。
さて、極楽初日に観音さまに案内されて極楽観光に出発した人が、お堂の中で見つけた木耳(キクラゲ)の乾物・・・
今日は『心学道話全集』第一巻にあるセリフをなるべく忠実にお伝えします。
「いやいや、あれは木耳ではない」と観音さま。
「それなら何でございまする」
「さればあれは人、娑婆に在りし時、常に忠孝の話を聞いて実(げ)にもと思い、また談義説法を聞いてありがたいと思えども、身につとむるところの所作は悪いことばかりしている者が死ぬと、体は無間地獄へ堕ち、耳ばかりが極楽へまいりまする。あれは耳だけがが仏になったのじゃ」と仰せられた。
--と、今日はここまで。恐い話ですね。しかし、私にとってはこの先のほうがずっとオソロシイのでございます。
「耳の乾物は聞こえました(わかりましたがの意)が、あの数の子の乾物は極楽には不似合いなもの。あれはどうしたことでござりまする」
観世音お叱りなされて「めっそうな。極楽に生臭いものがあってたまるものか。あれは数の子ではない」
さて、数の子の乾物の正体は?続きはまた明日。