ある人が亡くなって極楽へ。入り口で観音、勢至の両菩薩が迎えて阿弥陀さまの所に案内してくれます。「よく来ましたね。今日は極楽の中を市内観光みたいに見て廻るといいですよ」。ガイドは観音さまがつとめてくれることになりました。七宝の庭や八功徳水が満たされた池の蓮などを物珍しげに見てまわると一つのお堂があります。中を覗くと四方の壁に棚が巡らされていて、そこに木耳(キクラゲ)と数の子の乾物がたくさん並んでいました。「ここは極楽の食料貯蔵庫ですか?」と聞くと、観音さまは「違います」と答えます。「だって、こんなに木耳と数の子の乾物があるじゃないですか」「ああ、あれは木耳でもないし、数の子でもありません」--さてどうなる?あはは。今読んでいる昭和初期に発行された本は、天保時代の講演記録だったことが判明。その中に出てくる面白い話を三回に分けてご紹介します。明日はキクラゲの正体の段。知っている人も知らない人もネタバラシはご遠慮くだせぇ。ぐはは。
和尚ブログ ほうげん日記
2018年06月22日