昔、中国に向(こう)という歌の先生がいた。彼は数十人の門下生とそれなりに有意義な時間を過ごしていた。しかし、ある時、彼は思った。「私は自らの実力に甘んじているのではないか。他人にはもっとうまくなれと叱咤激励しておきながら、自分は今より高見を目指すことを忘れている」――彼は、自分の実力を確かめるために歌の試験を受けた。試験には合格したが、彼は生涯、より高い歌う技術、教える技術、歌を広める手段を模索しつづけてやまなかった。常に上を目指す彼の心に感銘を受けた人々は、彼を「上心(じょうしん)」と呼ぶようになった。やがて、いつでも上を目指そうとすることを、彼の名字とニックネームを合わせて「向上心」と言うようになったのである。今日はそんな心を持ったご詠歌の先生たちの試験だった。※今回は最後の一文を除いてフィクションです。したがいまして、写真もイメージです。どはは。
和尚ブログ ほうげん日記
2018年02月21日