お経にはよく「真」という言葉が出てくる。真実や真理という意味で、すばらしいということだ。私はこの「真」を「嘘や偽りがない」と読み替えることがよくある。そこから「嘘や偽りがないことは素晴らしい」という仏教の世界観が出てくる。山川草木の自然は言うに及ばず、生老病死も嘘や偽りがないという意味で素晴らしいのだ。嘘がないので疑わないでいい。安心していられるのだ。ペットを飼う人にその理由を聞くと「犬や猫は嘘をつかないから」と答える方は少なくない。つまり安心してつきあえるのがペットなのだ。一昨日家内が私のことを「最近おとなしいけど、具合でも悪いの?」と、普段は我が家の犬にしか使わない「おとしない」を使ったのも、家内にとって私が「嘘や偽りがなく、安心していられる」という思いがあったのではないか・・・と思ってニヤニヤしているのである。
和尚ブログ ほうげん日記
2017年07月10日