マイクロバスに乗って火葬場へ向かうと雨が本降りになった。雨がすべての色を濃く染めていく町並みを見ながら、「涙雨になりましたね」と申し上げると、隣の席にいた還暦を過ぎたであろうお嬢さんが「亡くなった父は、天気予報が雨でも自分が出かけた場所は晴れる晴れ男だって、よく言ってました」と懐かしそうに言った。このままでは亡くなったオヤジさんが最後に雨に負けたことになりはしないかと気を揉んだ。そこで言った。「晴れ男のおとうさんのお葬式が涙雨で、これでプラスマイナスゼロ。天気については、仏の弟子としてイーブンにしてあの世の旅に出発ですね」--フォローになったかどうかはわからない。
和尚ブログ ほうげん日記
2017年03月02日